営農メモ(果実)
春からの作業に向けて
果樹は剪定から収穫まで一年をかけて栽培するものになるため、作業を計画的に進めて、安定生産・高品質生産を目指しましょう。
◆ 整枝剪定作業
果樹の整枝剪定作業は、管理効率や果実品質、収量に大きく関わる大切な作業です。作業は次の点に注意して進めてください。
①樹全体を観察し、作業の妨げになる枝や極端に太い枝がないか確認する。
※この時、隣の樹とのスペースも確認し混み合っていないか確認する。
②どの枝にも十分日が当たり、防除薬剤がかかるような枝ぶりを意識して作業を進める。
③重なった枝は、切り落とす前に誘引作業で解消できないか確認する。
同じ枝振りの樹でも、身長や体格によって作業効率が異なります。整枝剪定する際は一緒に作業してくれる方の意見も取り入れて仕上げていきましょう。
また、③でも触れましたが『整枝・剪定』という名の通り、邪魔な枝だといって切ってしまうのではなく、誘引を用いた『整枝』を活用し作業を実施する。
ぶどうの場合、剪定を春まで待つと積雪時に雪が枝に乗って棚に負荷がかかってしまい、棚がつぶれてしまう可能性があるため、積雪前に粗剪定を実施して棚への負荷を減らし、2月から水を吸い上げ始めるまでの間に仕上げ剪定を実施して下さい。
核果類(桃や梅、プルーンなど)は剪定した後の傷口がふさがりにくい傾向があります。太い枝を切る時は水を吸い上げ始める春になってから切るか、やむを得ず厳寒期に切る場合は枝の付け根を20㎝程度残して切る(出べそ切り)ようにしましょう。
(果実課 小林鷹文)