13.06.05
凍霜害の被害確認と摘果作業 [果樹]
4月から5月上旬までの度重なる凍霜害により、りんご・なし・もも等では過去にない大きな被害を受けています。霜道・霜溜まり・標高差によっても被害状況に差はありますが、生育の早い地域ほど被害が大きいです。正常な果実での着果量確保が困難な圃場も見受けられます。本来なら摘み取ってしまう遅れ花の果実、サビ等の障害のある果実でも樹勢調整のために必要な場合がありますので、まずは着果量が確保できるかどうかを確認してから作業を進めて下さい。
今月の主な作業
◎りんご
仕上げ摘果の月となりますが、凍霜害での状況確認のため、作業は遅れている方が多いと思われます。また開花期間も本年は長めで満開がいつなのか、わかりにくかった事も今年の特徴かと思います。仕上げ摘果の目標は満開後60日以内に終了ですので、目安としては7月を目標に進めて下さい。
・サビ果、変形果の摘み取り
中心果でもサビの発生が見られますので、よく確認して摘果をして下さい。
・大きく形のよい果実を残しましょう。
中心果が凍霜害により欠落し側果を使用する場合は、大きい果実を残しましょう。
◎なし
凍霜害により、赤なしの南水と豊水は着果量確保が困難かと思われます。本来なら摘み取る遅れ花の果実、サビ果も樹勢調整のために残して下さい。
◎もも
霜の被害を受けた圃場では、着果位置にこだわらず着果量確保を優先して下さい。
白鳳等の核割れの起きやすい品種では、着果量を急に減らす強い摘果をしないよう数回に分けて摘果をして下さい。
ももは生育の早い結果枝先端の充実した花ほど霜の被害を受けやすく、残った遅れ花が結実後の急激な肥大により核割れを生じやすく、生理落果につながる恐れがありますので注意して下さい。
◎ぶどう
実止まり確定後に、摘房、摘粒作業を実施して下さい。
大粒種のジベ処理を行う品種については、適期を逃さないよう実施して下さい。
◎プルーン
果形や肥大状況、サビ果、樹勢等を考慮し、適正着果になるよう作業を進めて下さい。また凍霜害により着果量の確保が困難な場合は、サビ果でも程度の軽い物を残し着果量の確保に努めて下さい。
◎その他
・農薬散布時の注意
本年は風の強い日が多いので、散布薬剤が他の作物に飛散しないよう風には十分注意して下さい。またSS等洗車時の薬液が河川に流れないよう注意しましょう。
防除終了後には防除日誌への記帳を心掛けて下さい。
(三郷地域営農センター 降幡英樹)